私達の体育館で、隣町のバスケットボールクラブと

対外試合が行われた時の事です。

 

他のチームと試合をする時は、相手チームと混同しないように、

ユニフォームは、黒と白の2種類を持参するのが基本でした。

 

そして、この日の対戦相手は、黒系のユニフォームだったので、

私達は、白のユニフォームを着て試合をする事になりました。

 

結果までは、よく覚えていないのですが、長時間プレイの為、

レギュラー達が、ひどく疲れていたのは記憶に残っています。

 

なので、試合後の後片付けは、

補欠だった私と妙子(たえこ)ちゃんの2人でやる事になりました。

 

レギュラー達は、みんな帰り、私達も掃除が終わった事で、

更衣室にカバンを取りに行った時の事でした。

 

間違って、妙子ちゃんが、隣りのロッカーを開けたところ、

黒のユニフォームが、中に入っていました。

 

この日は、白のユニフォームしか着なかった為、

ロッカーの中に黒のユニフォームを忘れてしまったようです。

 

背番号が「7」だったので、

ポイントゲッターである智子ちゃんのユニフォームである事が、

すぐに分かりました。

 

そして、妙子ちゃんも私と同じように

ユニフォームを持っていないクラブ生だったので、

すごくユニフォームに憧れがあったようです。

 

妙子ちゃん:「めぐみちゃん、みんなには絶対に内緒ね」

 

私:    「分かってるって。誰にも言わないよ」

 

他人の物である事は分かっていたのですが、

妙子ちゃん、衝動を抑える事が出来ず、着てしまいました。

 

妙子ちゃん:「見て見て、これで私もレギュラーよ」

 

私:    「似合うじゃない。カッコイーッ!」

 

そう言うと、妙子ちゃん、照れくさかったのか、

人差し指で鼻の下をこすっていました。

 

バスケ少女036

イラスト by 浅葱



初めて着るユニフォームの感動を心行くまで堪能した後、

私にも着用を勧めて来ましたが、私は絶対に自分のユニフォームを

手に入れてやるんだと思っていたので、断りました。

 

その後は、脱いだユニフォームを

何事も無かったかのように元に戻しておきましたが、

結局、私も妙子ちゃんも最後の最後まで

自分のユニフォームを持つ事は出来ませんでした。

 

そして、この事は、2人だけの秘密にしておきました。