見事、全国大会へと進んだスパーク・エンジェルス。
47都道府県の各代表チームが決まり、開催都市である東京だけ2チーム出場する為、
計48のチームでトーナメントが行われます。
1回戦うごとにチーム数が、48 → 24 → 12 → 6と減っていきますが、
6チームに絞られるまでは、1日1試合しか行われない為、
バスケット仮面のエネルギー切れの問題は一旦は解消されました。
そして、スパーク・エンジェルスの初戦の相手は、守りが堅い事で定評のあるチームでした。
試合が始まると、バスケット仮面は得意のドリブルで
相手チームのゴールへと向かって行きます。
当然、相手選手が立ちはだかりますが、そんなディフェンスをものともせず、
いとも簡単に抜くと猛突進で相手ゴールまで行き、レイアップシュート。
見事に決まります。

はっ、速いっ!
こんなにやすやすと私達のディフェンスを抜くなんて!

あの仮面の少女、只者ではないわ。

2人とも、ブラインド・トリプル・ガードで防ぐわよ。

オッケーッ。

分かったわ。
相手チームの3人は縦一列になって並びます。
その為、バスケット仮面には1番前の選手しか見えませんでした。
そして、1人だと思ってディフェンスを抜いたその時、
すぐ後ろにいた相手選手が突然飛び出して来ます。

きゃっ!
隠れていたのね。
意表を突かれたバスケット仮面は、相手選手にボールを奪われ、
シュートを決められてしまいます。

バスケット仮面がボールを奪われるなんて珍しいわね。

くっ!
しかし、さすがはバスケット仮面、2度も同じ手は食いません。
ドリブルで、さっきの選手の前まで来ると、

秘技「ダーク・イリュージョン!」
イラスト by hyak様
最優秀賞受賞作品

どういう事?
仮面の少女が3人になったわ!
そして、1番前にいる選手のディフェンスを抜こうとするバスケット仮面に、
すぐ後ろにいた選手は右に、そのまた後ろにいた選手は左に飛び出しますが、
幻影に惑わされ抜かれてしまいます。
そして、シュート。
見事に決まります。

分身の術が使えるなんて……。

ブラインド・トリプル・ガードでは食い止められないわ。

それじゃ、みんな。
究極の技「ファイブ・サークル・エンクロージャー」よ。
引き続きドリブルで相手ゴールを目指すバスケット仮面を
相手チームの5人全員が手をつなぎ取り囲んでしまいます。

私1人に5人なんて卑怯な!

この円の中に入ったら最後、逃げる術は無いわ。

こうなったら、仕方無いわね。
秘技「ミニマム・スルー!」
バスケット仮面は、豆粒のような大きさとなって相手選手の両手両脚の間を突破。
その後、元の大きさに戻ります。

きっ、消えた!

いや、一瞬小さくなって元に戻ったわ。

そんなバカなっ!
ファイブ・サークル・エンクロージャーから逃れたバスケット仮面は、
一気にノーガードとなった相手ゴールまで突っ走り、シュートを決めます。

見た?
あのバスケット仮面の動き。

あんなに狭い隙間をぬって、あの技から逃れるなんて。

すごーい!

あんなの有り得ないわよ。

やはり、魔法を使っているとしか思えないわね。

でも、全国大会ともなると、
あんな卑怯くさい手を使わないと勝てないかもね。
バスケット仮面は、2つの必殺技を使って相手チームの完璧な防御を崩し、
スパーク・エンジェルスを勝利に導くのでした。